
第二章 砂漠の行進
2日後、バレンズの寂しい土地にて…。

スロール
この荒涼とした土地には、惹かれるものがある。我々の祖先の地も、こんな感じの所だ。

ケアン・ブラッドフーフ
うむ、トーレン族は、大地の母の業に畏敬の念を抱いている。しかし、広い平原で暮らせないワシらより、故郷のないオークは気の毒だな。

スロール
かもしれない。だが、我々にも自分たちの場所があっていいはずだ、ケアン。

グラント
チーフ、敵の一団がこちらに向かってきます!

スロール
ケアン、コドーは休ませてやったほうがいい。
我々はこの周辺を偵察して、オアシスがないか見てこよう。あなたはここでキャラバンを守っていてくれないか?

ケアン・ブラッドフーフ
ははっ!そんなに気をつかわんでいい。年は食っているが、そこまで弱っちゃおらん。

スロール
ケアン!ダメだ、もう逃げられないぞ!

ケアン・ブラッドフーフ
野蛮人め、大地の母がお前らにふさわしい罰をくだす!

ケアン・ブラッドフーフ
もうちょっかいは出せまい。あとはワシらだけで大丈夫だ。若いの、自分の旅を続けてくれ。

スロール
オラクルとは・・・何なのだ?

ケアン・ブラッドフーフ
オラクルとは、大地の母が編みあげた運命の糸を見ていた者だと、伝説に謳われている。世界の運命を語れる唯一の存在だ。

スロール
どこにいる?

ケアン・ブラッドフーフ
ずっと北だ。ハイジャル山の陰に、ストーンタロンという山がある。オラクルは、その頂上の洞窟の中にいる。一番上等なコドーを1頭、お前さんにつけてやろう。

スロール
恩にきます、ケイン。あなたのことは忘れまい。

ケアン・ブラッドフーフ
胸を張っていけ、若き長よ。大地の母の恵みを。